BTOパソコンでも電源は重要?意外と知らない電源の話
久々のパーツ考察ですが、今回の題材はBTOパソコンにおける電源の重要性です。
意外と軽視されていますが、実はものすごく大切なパーツで
値段をかけるべき部分の一つでもあります
人によっては一番お金をかけるパーツと仰る方もいますね
BTOパソコンでも電源をしっかり選ぶと寿命が延びたり発熱による性能低下を防いだりと
色々と良い効果が期待できます。
自作をするような方はパーツを選ぶ際に電源の重要性を考慮しますが
BTOパソコンを選ぶ多くの方が電源について殆ど無頓着なのが現状です
今日はその電源について考察していきたいと思います。
電源ユニットはパソコンの心臓!寿命にも大きく関わるパーツ
電源の役割を単純に考えましても、パソコンのパーツ全てに電気を供給するパーツですから
ここに不具合がおきるとパソコンが動きませんし
最悪の場合は他のパーツを全て巻き込んで他界してしまいます
そういった意味でも寿命に関わるパーツと言えますが
他にも大きな要因となるのが電源ユニットから来る発熱です。
パソコンのパーツは高い温度下で運用していると性能が低下したり
経年劣化が早まり、寿命が削られていきます。
電源ユニットは電気を供給する際に発熱をしますので、電源の発熱によって
周囲のパーツの寿命を削り、熱によりパフォーマンスの低下を招いたりします。
電源ユニットはなぜ発熱するの?
これに関しては先ず電源の役割から解説していきます。
電源ユニットはただパソコンに電気を通すといった単純なものではなく
各パーツに電圧を変化させながら供給するという役目があります
日本の電圧は交流100Vですが、PCパーツは直流3.3/5/12Vが使用されています
その電圧をPCの電源ユニットで変化させ、各パーツに供給するという重要な役割があるのです
ずいぶんとややこしい話になりそうなので詳しくは割愛しますが、
簡単にいうと家庭の電気をパソコン用の電気に交換してくれる機械ということですね!
それが電源ユニットの役割なのです
この電圧を交流から直流に変換する際、熱が発生しますので
これが電源ユニットによる発熱の原因となります。
電源ユニットの選び方で寿命が変わるのはなぜ?
電圧を変換する際、交流を直流に変換する過程で、どうしても電気が逃げてしまうので
100%全てを変換することは出来ません
その逃げた電気が熱になり、電源ユニットが発熱する要因になります。
変換効率は通常の電源ユニットだと70%未満ぐらいになります
粗悪なものだと60%前半になるそうです
つまり粗悪な電源ユニットの場合、40%近くの電気が熱になり
それが周囲のパーツの寿命を縮めてしまう原因になってしまうのです。
変換効率を意識して電源ユニットを選ぼう!
電源の良しあしを図る一つのポイントとして、変換効率というのが挙げられます
他にはコンデンサの質など色々ありますが先ず変換効率のお話からしていきましょう
電源ユニットの変換効率は60~70%になります
しかし質の良いものになると70%を上回り、さらには80%以上の変換効率を持つ
非常に優れた電源も存在します
80%を上回る優れた電源は80PLUSプログラムが推進する80plusという規格により
6段階の称号が付けられます
80plusプログラムのランク詳細
80plus Standard
出力 10% = 規定なし
出力 20% = 80%以上の変換効率
出力 50% = 80%以上の変換効率
出力100% = 80%以上の変換効率
80plus Bronze
出力 10% = 規定なし
出力 20% = 82%以上の変換効率
出力 50% = 85%以上の変換効率
出力100% = 82%以上の変換効率
80plus Silver
出力 10% = 規定なし
出力 20% = 85%以上の変換効率
出力 50% = 88%以上の変換効率
出力100% = 85%以上の変換効率
80plus Gold
出力 10% = 規定なし
出力 20% = 87%以上の変換効率
出力 50% = 90%以上の変換効率
出力100% = 87%以上の変換効率
80plus Platinum
出力 10% = 規定なし
出力 20% = 90%以上の変換効率
出力 50% = 94%以上の変換効率
出力100% = 89%以上の変換効率
80plus Titaniumu
出力 10% = 90%以上の変換効率
出力 20% = 92%以上の変換効率
出力 50% = 94%以上の変換効率
出力100% = 90%以上の変換効率
エコが持てはやされる今の時代、重要な規格になると思うので
80plusの存在は是非覚えておいてください
変換効率が良いと電気代も安くなる?
変換効率が良いと電源ユニットの発熱が防げるだけではなく、電気代も安くなります。
わかりやすく説明するために
電源効率が60%の糞電源と80plusゴールドの電源を比べてみましょう
最近のパソコンは大体アイドル時で100~180Wくらいの電気を使用しています
ハイスペッククラスのゲーミングパソコンを例にあげて比較して見ましょう
core i7-8700 メモリ16GB GTX1070 SSD1台 HDD1台
DVDマルチドライブ
こんなもんで大体アイドル150W、ピーク400Wくらいだそうです
150Wを1日8時間使うとして、東京電力による一ヶ月の電気代を算出してみました
先ず変換効率60%の糞電源では150Wの直流電力を生みだすのに
250Wの交流電力を使用します
つまりパソコンに150Wの電気を流すためにコンセントから250Wの電気を取っていると認識してください
その際の電気代は1日54円 一ヶ月で1620円 一年で19710円
ゲームの放置などで24時間つけっぱなしという方は1日164円、1年で59130円の電気代がかかります。
続いて80plusゴールドの電源だと150Wの直流を生み出すのに167Wの交流が要ります
その際の電気代は1日36円 一ヶ月で1082円 一年で13166円
24時間つけっぱなしだと1日108円、1年で39408円となります。
このような感じで、糞電源と良質な効率を持つ電源では電気代が大きく異なります
ネットゲームや動画のエンコードなど、PCの稼働率が高い使い方をする方はより差が顕著になりますね
また、ブロンズとゴールドを比較しても変換効率が5%程度違いますので
平日2~3時間、休日は5~8時間という方でも2年くらいで元が取れてしまうのではないでしょうか?
更に、電流を変換する際に消失する電気量が減るということは
変換効率が良い電源は発熱が少なく、他のパーツに負担をかけないため寿命が長くなるということです。
正に良い事ずくめですね!
おすすめの80Plusランクは?
80plusのstandardはかなり増えてきましたが、銀と金はまだ少ないです
一部の高級電源に集まっている感じでプラチナは滅多に見ません
無印1,182 銅1,087 銀246 金349 白銀25
今現在の80plus電源の比率はこんな感じらしいです
2018年現在はブロンズの数が大幅に増えました。
個人的にはブロンズランク以上の電源ユニットをおすすめしています。
最近はゴールドやシルバーも安く出回っているので、予算に余裕がある方はゴールド電源がイチオシです。
チタンやプラチナは少々値段が張りますし、ゴールドとチタンで比べても大きな差はないです。
私が自分で買う時はコスパと変換効率を考慮してゴールド電源を選んでいます。
電源ユニットのエコ化は世界にも日本にもパソコンにも優しいので
電源の重要性についても是非考慮してみてください
当ブログでおすすめしているBTOパソコンメーカーはブロンズ以上の電源をデフォルトで搭載していますし
カスタマイズでゴールドやプラチナ、チタンに変更も出来ます。
BTOパソコンにおける電源の重要性まとめ
- 電源ユニットはパソコンの心臓部!
- 電源ユニットの良しあしでパソコンの寿命も変わる!
- 電源ユニットを選ぶ際は変換効率を意識すると良い!
- おすすめの変換効率はブロンズ以上!ゴールドがイチオシ!
エコも気にかける方は80plusのロゴを覚えておいて損は無いでしょう
電源についてはコンデンサだの内部回路だの色んな見方がありますが
先ずは80Plusについて意識してみることで、良いBTOパソコンとの出会いが生まれると思います。
また機会を作って電源について考察していきたいと思いますので
お暇な時にでもご一読頂ければ幸いです
コメント
コメント一覧 (1件)
非常に参考になりました。電源のなんたらplusってどうゆう意味だろうと思っていました。もう2年も前の記事ですがBTO初心者の僕にはとてもありがたいです。