さて、前回はX79マザーを取り上げてみましたが
今回は新CPUであるSandy-Eの解説をしたいと思います。
この『Sandy-E』はSandy-Enthusiastの略で、コアユーザーに向けたハイエンドCPUを指します
メインストリーム(一般向け)Sandyの上に位置づけされるExtremeEditionを主体とした
SandyBridgeの頂点に立つ存在ですね
当然メインストリーム向けではないので価格は鬼のように高いです。
一般向けではなくコアユーザー向けのEE(ExtremeEdition)なので当たり前ですが・・・
ついに登場するSandyBridgeのハイエンドモデルだけあって、注目度は高いです。
では早速解説していきましょう
「SandyBridgeってなんだ?」
SandyBridgeとはインテルの開発コードネームです
Core i7の後期型CPUがこれに該当します
Core i7-2600などの下4桁の数字がついているものがそうですね。
第二世代インテルとか第二世代コアプロセッサーと呼ばれる現在主流のCPUです。
core i7-920など、下3桁の数字がついているものはNehalem(ネハレム)という開発コードネームで呼ばれ
初期core i7と呼ばれています
性能面では後期のSandyBrigeが優れているため
core i7-2700Kが現在のメインストリーム最高峰に君臨するCPUになります
「ExtremeEdition(以下EE)って何なの?」
言葉通りに、極限ともいえる最高の性能を持ったCPUモデルに付けられている名前です。
コスパに優れたメインストリーム向けのCPUとは別に、コアユーザー向けハイエンドCPUとして販売されます
高価格なので一般のユーザーは興味を示さないですし
所持している方も少ないですね
各開発コードにはメインストリーム用のCPU、EE用のハイエンドCPUが存在しています
今回のSandy-EはSandyBridgeの中でも頂点となる性能を誇り、core i7-3960Xがこれに該当します
このEEは性能面に特化したハイエンドCPUなので
高価格な反面、そのスペックは他を圧倒する究極の物といえます
Nehalem(ネハレム)のEEも素晴らしい性能を持ち、今日まで世界最高のCPUとして王座を守って来ました。
初期core i7のEEですら、高性能なSandyBrigeを上回るスペックを持ちます
メインストリーム向けCPU同士で比べた場合、
core i7-920とcore i7-2600では倍ほど性能が違います
まさに驚異的な性能の向上を見せたSandyBrigeですが
それでもEEであるcore i7-990Xには及びません
それがExtremeEditionの名を持つハイエンドCPUなのです
デュアルコアCPU、クアッドコアCPUに大差を付けて登場したcore i7『Nehalem(ネハレム)』ですが
第二世代インテルとも呼ばれたSandyBridgeはソレすらを遥かに上回る性能を見せ付けます
むしろ同じCore i7の名前が付いていることに違和感を覚えるくらいの性能差があります
そんなSandyBrige-Eは一体どのような性能を持っているのでしょうか?
11月14日17時から販売されるSandy-Eは3種類のラインナップが用意されています
Core i7 Extreme 3960X
Core i7 3930K
Core i7 3820
一体どのような性能を持つのか?次の項目で解説していきます
Name | Core | Thread | Frequency | TruboBoost | OverClock | L2 cache | L3 cache | TDP |
Core i7 Extreme 3960X | 6 | 12 | 3.30GHz | 3.90GHz | Free | 6x256KB | 15MB | 130W |
Core i7 3930K | 6 | 12 | 3.20GHz | 3.80GHz | Free | 6x256KB | 12MB | 130W |
Core i7 3820 | 4 | 8 | 3.60GHz | 3.90GHz | Limited | 4x256KB | 10MB | 130W |
とまぁ・・・スペック表を書いても何が何だかわかりませんよね(笑)
3960Xは現行最速のCPUであるCore i7-990Xより15%以上高い性能を持つ最速のCPUになります
3930Kは990Xと同等の性能を持ち、3820はcore i7-2700Kを上回る性能を持ちます。
気になる価格ですが
Core i7 Extreme 3960X 86000円
Core i7 3930K 48000円
Core i7 3820 30000円
程度になるのではないかと予想されています
これは発売してみないと正確な数字はわかりませんが、大体このくらいではないかと思います
発売直後はご祝儀価格で高騰するのでもっと高くなるかもしれません
現在990Xが8万円前後なので、これは凄いですね・・・
5万程度で990Xと同等のCPUが買えるとは驚きです
このSandy-Eを積んだ最新マシンが市場に出回るまで少し時間はかかるでしょうが
今から非常に楽しみですね
Sandy-Eの大きな特徴として挙げられるのがこの6コア12スレッドという部分でしょう
既存のSandyBrigeやNehalemは4コア8スレッドのモデルになりますので
コア数が多くなることでマルチタスクの処理が向上します
マルチコアを使える環境ならば処理能力は格段に向上するでしょうね
sandy-Eの中で6コア12スレッドに該当するのがCore i7-3960XとCore i7-3930Kです
core i7-3820は4コア8スレッドのモデルです
「この12スレッドって何だ?」
これは仮想コアの事です。
Core i7の最大の武器でしょうか
4つのコアがそれぞれ2つのスレッドを持って動いているので
実質は8コアと同じ性能と処理能力を持っているインテル最新のテクノロジーです
intel(R)HTテクノロジーとか書いてあるやつですね
ハイパースレッディングテクノロジーと言います
これはcore i7にしか搭載されていません
core i5はHTが付いていないので、4コア4スレッドで実質4コアCPUということになります
core i3はHTも付いていないし、2コア2スレッドで動作するので2コアCPUということになります
intelの他にCPUを作っているAMDはこのHTのようなシステムを使っていませんので
8コアモデルもそのまま8コアで動作します
11月4日に発売されたばかりのAMD最新CPUは8コア動作のハイエンドモデルですが
core i7-2600にすら及ばない残念なものでした。
このSandy-Eは6コア12スレッド・・・つまり12コアの怪物CPUということになりますので
マルチタスク環境では圧倒的な処理能力を持ちます。
メインストリーム最速のcore i7-2700Kや、2600は4コア8スレッドなので
ここはSandy-Eに適わないですね
現在6コアが搭載されているのは
core i7-970 core i7-980 core i7-980X core i7-990X
core i7-3930K core i7-3960X
これだけです。
2012年春にIvyBridgeというインテル最新CPUが発売予定です。
私はこれを狙っていますが、このSandy-Eに浮気しそうですね・・・
と言うのも、IvyBridgeはメインストリーム向けCPUなので
SandyBridgeのシュリンク程度の性能になると言われています
性能面での向上は殆ど無いかもしれません
(インテルが主にグラフィックス性能の向上を謳っているため、CPU性能の向上は話題にでない)
まぁ省電力化が計られるそうなので、エコ視点でいうとかなりおいしいのですが
絶対性能でいうとSandy-Eには適わないでしょう
Ivyは4コア8スレッドですし。
インテルの位置づけ的にはSandy-Eをフラッグシップ、ハイエンド向けCPUとして
IvyBridgeをメインストリームとして進めていく方針みたいです
インテルのロードマップでも2012年もSandy-Eの販売が続くようですし
メインストリーム向けのIvyBrigeはcore i7-2600とかと同じLGA1155を採用していますし
LGA2011は暫くSandy-Eだけのものになりそうです。
そういった意味合いでは、このSandy-Eは大変魅力的ですね。
今現在、新PCの購入に悩んでいる方はSandy-Eを買ってみるのも良いかもしれませんね。
ただし高いのでハイエンドPC向けになってしまいますが・・・
現在ミドルスペックが欲しいかたはSandyBrigeを
ハイエンドが欲しい方はSandy-Eを、来年あたりに買い換える予定の方はIvyBridgeを
そんな感じでしょうか。
コメント
コメント一覧 (3件)
Sandy-EのEはEnthusiaの略だったとおもいます。
Sandy-E購入を予定しているので
とても楽しみですw
修正してきましたv-356
ご指摘ありがとうございます。
Sandy-Eの略はEnthusiastだそうです。
私はIvy待ちだったのですが、Sandy-Eに浮気しそうですw
よく見ると魅力的です
i3はHTありますよ