拍手レスとインテルCPUの今後

このようなコメントを頂いたので、レスついでに色々解説してみたいと思います

>IVY bridge でクアッドチャネルはまだないのでしょうか

コメントありがとうございます
結論から申しますと、現状でクアッドチャネルを求めるならばSandy-Eしか選択肢がありません
IvyBridgeでのクアッドチャネル対応予定は無いです

そもそもIvyBridgeはメインストリーム(一般向けCPU)で
Sandy-Eはエンスージア(コアユーザー向けハイエンドCPU)なので、ランク的にはSandy-Eのが上なんです
とくにSandy-Eの3930Kや3960Xなんかは6コア12スレッドなので、Ivyより遥かに性能が高いですよ
(シングルコアしか使わないオンラインゲームなどを除いた場合ですが)

メモリ帯域やサーバー機としての性能を考慮してPCを選ぶなら、現状はSandy-Eが最適かと思われます
IvyBridgeではSandy-Eの性能に迫るような構成にするだけでかなりの金額がかかりますし…

最新のDDR3-2400メモリを16GB分買えば3万円近くかかるので
3770Kでは先述したCore i7-3820搭載機と同じメモリ帯域を確保しようとするだけで14~15万くらいかかりますね
さらにSandy-Eの3930Kや3960Xには遠く及びません

3960Xなんか44GBくらいまで出せますからね…

ちなみに…Sandy-Eより優れたメモリ帯域を確保するのは暫く無理だと思います
2年後に発売予定のIvy-Eしか選択肢がないですね

以上のことからSandy-Eをお薦めします。

随分長くなってしまったので、ここで一旦区切ります。
ここまでお読み下さりありがとうございました

もっと詳しく教えて!という方がいらっしゃいましたら
インテルの開発ロードマップを交えて、詳しく解説していきたいと思いますので
お手数ですが、興味のある方は【続きを読む】から記事をご覧下さい

では早速続きを・・・

【今後のIvyBridge】
2012年Q3(第三四半期)でCore i7-3770Kの後継となる新型IvyBridgeが登場する予定ですが
それもDualCannelで構成されています

というよりもIvyBridgeは全てデュアルチャネルになるので、今後出るIvyも全部そうです

トリプルチャネル以上を期待するならばIvy-Enthusiast(通称Ivy-E)に期待するしかないでしょうが…
Ivy-Eの公開予定は2013年Q4なので、発売は2013年の後半から2014年初頭になると思われます。

しかし、Ivy-Eがどのようなスペックになるかは未定で、クアッドチャネルになるかどうかはまだわかりません
そもそも出るかどうかもまだ未定なので…

一応Intelの開発ロードマップに名前が載っている程度なのであまり期待しないほうが良いかもですね

単純なゲーム性能を期待している方でしたら今年の秋頃に発売する新型Ivyが良いかもしれませんね
ただ、既にSandyを使っている方は買い換える必要がないです

そんなに性能が上がらないと思うので…。


【今後のIntel】

お役に立てるかわかりませんが、一応Intelの開発ロードマップとその解説です

CPU:code発売予定予定時期備考
Sandy Bridge2011Q1Core i7-2700Kなど上位の性能を持つ第二世代インテルのメインストリーム
Sandy Bridge-E2011Q4Core i7-3960Xなど最高最速の性能を誇るコアユーザー向けハイエンドCPU
Ivy Bridge2012Q2Core i7-3770Kなどメインストリームの中では最速のCPU
Haswell2013Q1名称不明。4コア8スレッドのメインストリーム用CPU。
Ivy Bridge-E2013Q4~2014Q1名称不明。詳細も一切わからず。コアユーザー向けで高価格。
Broadwell2014??Haswellのシュリンク版。22nmから16nmへ
Skylake2015??DDR4メモリを採用予定の新アーキテクチャ

大体こんな感じですね。
今回のIvyBridgeがSandyからそこまで性能上がってないので、見送ってHaswell待ちのユーザーが多いみたいです
既にSandyBridgeを使っている方がIvyに乗り換えるメリットは殆どないですからね…


【次世代CPU code:Haswell】

Haswell(ハスウェル)は2013年の初頭を予定していますが、完成版Ivy的な存在とも言えます
順当に行けばIvy3770Kの20%増しくらいの性能になるんじゃないでしょうか…たぶん。

もしかしたら爆発的に性能アップするかもしれないので、そこは期待したいところですね
これもメモリのチャネル数はデュアルチャネルになります。

もしHaswellがトリプルチャネルだったならSandy-Eに匹敵する可能性がありますが
デュアルチャネルなので難しいでしょうね…

DDR3-2400を2枚さしても帯域は31GB程度だったはずですし
DDR3-2400は殆ど出回ってないので16GB分で25000円くらいします。

ちなみに去年はDDR3-1333が主流で、今年は1600が主流でする。
DDR3-2800>DDR3-2400>DDR3-2133>DDR3-2000>DDR3-1800>DDR3-1600>DDR3-1333

来年のうちに2400が一般化している可能性は殆どないでしょうね
DDR3-2800がもうすぐ発売予定なので、それを使えばデュアルで40GBくらいまで持っていけるかもしれません
多分2枚で3万くらいするでしょうけど。

【次世代CPU code:Ivy-Enthusiast】
Ivy-E(アイヴィ・エンスージアスト)はコアユーザー向けのハイエンドCPUになる予定です
2013年後半~2014初頭に発売予定だということですが
これについての詳細は一切わかりません…ロードマップによっては書かれていないので、出るかどうかも怪しいです
多分Eなので相当な高性能CPUになるはずですが、メモリチャネルの数まではわかりません
多分クアッドにしてくると思います・・・としか言えません。

クアッドチャネルならDDR3-1800とか2000とかをクアッドチャネルで動かして
Sandy-Eを越えてくるはずですが、二年後のCPUなのでそんなの当たり前ですよね…(笑)
むしろSandy-Eより性能が低かったら誰も買いません

【次世代CPU code:Broadwell】
次に2014年に出るHaswellの後継(シュリンクモデル)がBroadwell(ブロードウェル)
ブロードウェルは米国イリノイ州にある地名のひとつ

これはHaswellの性能アップ版という形になるので構造や規格は変わりません
ダイサイズが22nmから16nmになるので、省電力化と性能向上が図れるみたいです
残念ながらこれも詳細が出ていないのでメモリチャネルの数はわかりません…

しかしHaswellと同アーキテクチャなので恐らくメモリチャネルもデュアルだと思います。

性能的には、大体Haswellの20~30%増しくらいになるのではないでしょうか?
シュリンクなので大幅な性能変化はなさそうに思います
順当に行けば若干の性能アップと省電力削減する程度になるでしょう。

ここまでで、DDR3-2800とかが一般化して安く買えるようになっているとしてもSandy-Eを上回る可能性は低いですね
DDR3-2800ですら1枚でメモリ帯域22GB/sですし、それをデュアルで動かして44GB/sです。
それでっとSandy-E 3960XのDDR3-1600×4に及ぶか及ばないかってところでしょうね

DDR3-2800が一般化していれば…の話ですが。
2014年の最新CPUで追いつけるか追いつけないかの性能というわけです。
(メモリ周りだけね!)

とりあえずHaswellもBroadwellも4コア8スレッドなので、6コア12スレッドの3960Xに適うかわかりません
マルチコアを使うアプリケーションでは置いていかれる可能性もありますね
そこのあたりはHaswellとBroadWellの新化具合に左右されますが…。

【次々世代CPU code:Skylake】
開発コードSkylake(スカイレイク)
米国フロリダにある地名のひとつ

2014年の後半からインテルメモリテクノロジーが大きく変わります

DDR4という新しいメモリ規格に移行するので、性能が大幅に向上してしまうのですね
ここまできたらメモリ帯域も今のものとは全く異なった次元になるでしょうし
2014年にIvy-EやBroadWellを購入しても、すぐに性能更新が行われてしまうことになります

たしかDDR4メモリは1枚でメモリ帯域幅34GBまで出せる高性能メモリになるので
デュアルチャネルでも約70GB/sという凄まじい性能を発揮します

現行主流のDDR3-1600は1枚で12GBの帯域幅を持ちますので、その差は圧倒的でしょう

2015年はSkylakeというCPUが発売され、その辺りでDDR4が採用されると思います

ここまでくるとCPUの性能も今のCPUとは比べることが出来ないくらい上がっているでしょうね…
それこそ今のユーザーがPen4を見て うわっ・・・ となるくらい
うちのサブ機がPen4なんですよ・・・
遅くて遅くて…でも可愛い奴だから長く使ってる。

【まとめ】
メモリ周りの性能を気にするなら、Sandy-Eを買うのが得策なのではないでしょうか
今から3年使ってSkylakeシリーズというのが無難だと思います
もちろん5年使ってSkymontシリーズでも良いでしょうね

寿命的にもコスパ的にもそれが良いと思いますが、いかがでしょう?

と、大変長くなってしまいました…
CPUの考察ってたのしいですね!

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この記事を書いた人

BTOパソコン購入歴20年以上のゲームオタクです。
10代の頃にはじめて購入したパソコンが低スペックすぎてゲームが出来ずとても後悔した経験からBTOパソコンに興味を持ちました。
当時はそれほどメジャーではありませんでしたが、そのコスパと性能に惚れ込み今に至ります。
自分自身で10台以上、友人からの依頼を合わせると50台以上の購入経験があります。
このブログは2011年から運営している趣味の個人ブログです。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • はじめまして。
    5年ぶりにPCの更新を検討しており、当サイトにたどり着きました。
    大変わかりやすく解説してありとても参考になっています。
    用途はPhotoshopCS5を使用してのRAW現像が主で、たまにHDVの動画編集、
    DVD作成ですが、新PC購入後はブルーレイ作成も予定しています。
    ゲームは全くしません。

    こちらの記事を拝見し、G-TUNEのNEXTAGE-MICROタワーモデルにしようと
    思っておりますが、NEXTGEAR-MICROim820BA3 と NEXTGEAR-MICROim600GA2
    のどちらかにしようと迷っています。
    電源もグラボも同じでCPUとチップセットの違いだけなんです。

    820BA3は i7-3820 クアッドチャネル
    600GA2は i7-3770K デュアルチャネル

    同じ量(標準で8GB。16GBに増設予定)のメモリを積んだ場合にはどちらの方が
    私の用途に向く性能なのでしょう?

    820BA3は99,750円 600GA2は109,830円 約1万円の価格差も悩みどころです。

  • >>Jerryさん

    コメントありがとうございます。
    ざっくりと回答だけ申しますと、ゲームをやらない場合は上記2つのPCは勿体無いですね…

    ゲーム用のGPU(グラフィックボード)が搭載されておりますので
    その分価格が高くなっています。

    RAW現像でしたらGPUよりCPU性能を高めにする方が快適ですし
    HDVの動画編集でもCPU重視でGPUパワーは余り使いません

    以上のことから、Jerryさんの用途にそったPCを選ぶ方がお得なのではないかと思いました

    今別の記事を作成中なので、後ほどお薦めのPCを探してきます

    申し訳ございませんが、今暫くお待ち頂けますと幸いです。

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