TERA用GPU考察1

TERA推奨PCのレビューはこちらの TERA推奨PCまとめ 記事からご覧ください
リンクを全てまとめてあります

さて、全体的にざっくりと斬り終わったところですが
個人的にはまだまだ掘り下げて行きたいと思っていますので
気になる製品をもう少し詳しくレビューしていきたいと思います

本日のレビューはTERA推奨PCに搭載されていたGPUについてです

発売されたばかりのHD6790が気になっている方もいるようなので
HD6790について詳しく見て行きたいと存じます

最近ぐんぐんと地位を伸ばしているAMD社のRADEONシリーズですが
その使用感の高さからシェアも急成長し、人気も高まってきています

とくに省電力製とコスパフォーマンスに優れた製品が多く
一部のコアユーザーが使うマイナーGPUという印象はもうありません

そんなRADEONシリーズですが、

結論から申しますとHD6790は最新ゲームに向きません

性能面ではそこそこ優秀なのですが、ある部分が大きく足を引っ張ります

何故最新ゲームに向いていないのか、その理由は長くなってしまいましたので
気になる方は続きを読むからご覧ください

よくある落とし穴なのですが、主な表面上のスペックが高く
型番の名前がすごそうに見えるため高性能だと勘違いする製品が多いので
そのあたりに注意しましょう

具体名を挙げますと、RADEONのHD6790やHD5830
GeforeのGTX460(768MB)などが挙げられます

これらの製品は主な表面上のスペックが高いため、高スペックだと騙されてしまう傾向にありますが
実は大きな落とし穴があるのです

私もよく参考にさせて頂く、こちらの大手GPU比較サイト様でもご覧になれますが

ベンチマーク結果は良いですし、表面上のスペックは非常に優秀なんですよ

では、何が問題なのかと申しますと
ROP数メモリバス幅と言う項目が関ってきます

これはベンチマークに差が出辛いので、つい見落とし勝ちになるのですが
実際にゲームを快適に遊びたいと思うならばかなり重要な要素になります

ROP数とはRendering Output Pipelineユニットと呼ばれているものの略称で
映像や画像をビデオメモリに書き出す際に使われるユニットです

メモリバス幅とはビデオメモリの帯域を表す数字で
これが大きいほど高負荷に強くなります

はて?なんぞ?と思う方、もう少しだけお付き合いください

ものすごく簡単にざっくり申しますと
ROP数は高速道路の料金所
メモリバス幅は高速道路の車線数みたいなものです

これが少ないとどうなるのか
先ず、いくら高性能なシェーダプロセッサ(描画をするユニット)をたくさん積んでいようが
ROP数とバス幅が少ないと足を引っ張ります

高性能なシェーダが頑張って映像を量産します
(車がたくさん高速道路に入ってきます)

ROP数が少ないと作られた映像の書き出し処理で詰まります
(料金所が少ないので料金所前が混雑しています)

メモリバス幅が少ないと大容量データの転送に遅れが生じます
(さらに車線が1車線しかなく大渋滞です)

余計わかりづらかったでしょうか・・・
このROP数とメモリバス幅というものが重要になると伝わればいいのですが・・・
ROP数は価格帯で削減されていることが多いのです

HD58xxシリーズを例に挙げてみましょう

先ずHD58xxシリーズの最速モデル
HD5870はROP数32 メモリバス幅256bit
HD5850も同じくROP数32 メモリバス幅256bit

しかしHD5850の選別型落ち品と言われているHD5830が曲者で
スペックはHD5850に近いものがあるのですが

メモリバス幅256bit ROP数16と、ROP数が半分に削減されています

GTX460もビデオメモリ1GBモデルは優秀なのですが、768MBモデルはROPが大幅に減っています

こうなるとベンチマークのような一定の負荷が掛かる状態なら良いのですが
ゲーム中に突如掛かる高負荷に耐えられなかったり、そもそもベンチでもカクカクだったりします

GTX460の768MB版は購入したことがあるのですが
FF14ベンチマークが物凄い優秀で、GF9800GTから2000ほど上がる大活躍を見せました
しかしベンチ動画は9800GTと同じようにカックカクです

OCしたらGTX275やGTX285に匹敵する数字を叩き出しますが
実際にゲームをやってみるとカクカクで話しになりません
GTX275は割りとぬるぬる動く場所でも、GTX460(768MB)はカクカクで止まります

CPUやメモリなどのスペックはほぼ一緒なのにですよ
むしろGTX460を積んだマシンのがメモリもCPUも高性能ですが・・・
また、別のゲームをやってもGF9800GTとさほど違いが出ませんでした

後にGTX460(1GB)を借りて試したところ、驚くほどぬるぬるになり
ROP数とバス幅の差を感じ取ったものです
(タイトルもドライバのverもPCスペックも一緒だったので単純にGPUの差)

GTX460は差が物凄く顕著に出ます
なんせ、1GB版はバス幅256bit/ROP数32ですが、768MB版はバス幅192bit/ROP数24基と
同じ名前がついているのに悪意を感じるほど性能が違います

これはGPUとして2ランクくらい性能変わりますよ

さて、話が大分膨らんでしまいましたが・・
このROP数とメモリバス幅も見ていかないとGPU選びで失敗する可能性があります

HD6790はROP数が少ないので、高負荷が掛かるようなゲームですと
シェーダプロセッサの性能が同じ製品に比べて足を引っ張り、カクカクになる可能性が高いです

大体同性能の製品にGTX275がありますが
向こうはバス幅が448bit、ROPも28基と優秀ですので、同じパフォーマンスが出る事はないでしょうね
メモリ周りの規格が違いますが、それでも追いつけないでしょう

この製品はあくまでエントリーモデルの製品ですので、
高負荷の最新ゲームをやるために買うようなGPUではありません

最新GPUはバス幅256bit、ROP数32基と言うのが水準になっていますし
GTX570はバス幅320bit、ROP数40基
やGTX580などはバス幅384bit、ROP数48基と桁外れです

これに対してHD6790はバス幅256bit、ROP数16基とROP数が半分以下です

しかし価格は1万円と安いですし、エントリーモデルとしてはとんでもなく高性能なGPUですので
GPU自体は非常に優秀な製品と言えます

これはHD5770の後継機に当たる製品なので
HD5770を使っていて十分だったけど、寿命だから同じような製品が欲しいとか

高負荷がかかる最新3Dゲームをやらない方には向いています
同価格のHD5770より全体的に優秀ですからね

あくまでミドル帯の廉価製品という色が強い製品ですので
TERAや今後出る最新MMOを目的としたGPUとして購入するには向いていません

以上が私の見解です
HD6790の購入を検討している方の参考になれば幸いです

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この記事を書いた人

BTOパソコン購入歴20年以上のゲームオタクです。
10代の頃にはじめて購入したパソコンが低スペックすぎてゲームが出来ずとても後悔した経験からBTOパソコンに興味を持ちました。
当時はそれほどメジャーではありませんでしたが、そのコスパと性能に惚れ込み今に至ります。
自分自身で10台以上、友人からの依頼を合わせると50台以上の購入経験があります。
このブログは2011年から運営している趣味の個人ブログです。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • ROPの数が少ないと同じフレームレートでもROP数の多いGPUの方が快適に動作するという事ですか?

  • >>通りすがりさん

    コメントありがとうございます

    ROP数はスペックに直接関係しますので
    ROP数が違うとGPUの性能自体が違うということなのでフレームレートに差がでます

    フレームレートが同じならば快適度合いは同じですね

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